二十四節気は1年を24の節に分け、節気ごとに命名して気候の変化、推移を知り、社会や生活の中で季節感を役立てるものです。

12月5日「納めの水天宮」です。

■12月5日「納めの水天宮」です。■
111130_15.jpg「水天宮:すいてんぐう」は、福岡県久留米市の水天宮「久留米水天宮」を総本社として、古来、農業、漁業、航海業者間に信仰が篤いのみならず、子供の守護神、安産の神として、病難、火災などの除災招福の神として信仰されてきました。
 
明治天皇御降誕の砌(みぎり:執り行われるところ、場所)、孝明天皇が御祈誓されたことで有名。霊験あらたかなるを以て、明治元年に禁裏御祈祷所(勅願所)とされた名社です。
 
「水天:すいてん」は、仏教における天の一人で須弥山の西に住んでいるとされます。十二天の一つ、水の神。竜を支配するとされます。古代のイラン・インドのヴァルナという最高神で、バラモン教の聖典「ヴェーダ」の神話にも登場。ゾロアスター教ではこの神をアフラマズダとして称えます。

◇水天起源◇
今から700年程前、平清盛の血をひく安徳天皇は、源氏の厳しい追及に京都から西へ西へと逃げていきました。しかし、壇ノ浦の合戦で源氏の軍船に取り囲まれ、祖母の「二位の尼」に抱かれて母の「建礼門院」と共に波間に身を躍らせました。
 
お仕えしていた官女の「按察使局:あぜちのつぼね」も壇ノ浦で共に入水しようとしましたが、二位の尼に止められ「お前は生きて、われらの霊を慰めよ」との命を受けます。局は川のほとりに小さな祠を建て、安徳天皇とその一族の霊を慰める日々を送りました。これが水天宮の起源と伝えられています。

◇東京水天宮縁起◇
江戸時代には、大名には参勤交代が義務付けられていました。藩主は、領地を離れて江戸詰をしなくてはなりません。その間、水天宮にお参りができない為、久留米藩第九代藩主、有馬頼徳公は久留米から分霊をして、江戸屋敷内(現在の港区)に、水天宮を祀りました。文政元年(1818)これが東京水天宮のはじまりです。
 
141128_33.jpg本来、水天宮は殿様の屋敷神として祀られたもので、一般の人が参拝することは出来ませんでしたが、江戸時代の人々の信仰は次第に高まり、塀越しに賽銭を投げ込む人が後を絶ちません。遂に「五の日」に限り、江戸屋敷が開放され参拝が許されました。

◇情けありまの水天宮、恐れ入りやの鬼子母神◇
人々は「情け深い」ことを感謝する際に、有馬家と水天宮を洒落て「情けありまの水天宮」と囃しました。「恐れ入りやの鬼子母神」と共に、江戸の流行語になりました。
 
明治4年(1871)水天宮は屋敷の移転と共に赤坂に移り、さらに翌年に現在の日本橋蛎殻町に移転しました。日本橋蛎殻町界隈は、人影もまばらな寂しい場所でしたが、水天宮が移ると共に商店が増え始め、大変な賑わいを見せるようになりました。
 
拝殿で神様をお呼びする「鈴」を鳴らす布地(サラシ)の鈴紐のことを「鈴乃緒」(すずのお)と呼びますが、この鈴乃緒のおさがりを妊婦が腹帯にしたところ、大変に安産だったとか。水天宮では「戌の日」に安産祈願を済ませた腹帯を「鈴乃緒」と呼んで、授与しています。戌の日には安産祈願の妊婦さんがたくさんお参りします。
 
納めの水天宮は、今年1年の無事を感謝する参拝者や、古いお札を納めに来る人で賑わいます。

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天部:別称を、「天」または「諸天部」仏教以外の神が仏教にとり入れられて守護神となったもの。天に住むという信仰がある。帝釈(たいしゃく)天・毘沙門(びしゃもん)天など四天王、十二神将、金剛力士などや、吉祥天・弁財天・伎芸天など女形の天部もある。
十二天:仏教を守護する12の天尊のこと。四方・四維の八天、上・下の二天、日・月の二天のこと。帝釈天(たいしゃくてん)(東)/火天(南東)/焔摩天(えんまてん)(南)/羅刹天(らせつてん)(南西)/水天(西)/風天(北西)/毘沙門天(びしゃもんてん)(北)/伊舎那天(いしゃなてん)(北東)に
、梵天(ぼんてん)(上)/地天(下)と、日天(日)/月天(月)の十二天。


東京水天宮
◇東京都中央区日本橋蛎殻町2ー4-1
◇地下鉄日比谷線・都営浅草線「人形町駅」徒歩5分
◇半蔵門線「水天宮駅」すぐ
◇公式HP:http://www.suitengu.or.jp/  

全国総本宮
◇福岡県久留米市瀬下町265
◇JR「久留米駅」徒歩10分
◇HP:http://www.suitengu.net/

◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆
戌の日に安産祈願をする庶民の気持ちは、江戸時代も現代も変わりがありません。安産祈願がいつの時代も変わらないもの一つです。
季節の変わり目で、日格差が大きい日が続きます。また冬型の気圧配置で日本海側から北海道では積雪を記録しています。
読者の皆様、時節柄お体ご自愛専一の程
筆者敬白

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八木宏之プロフィール
セントラル総合研究所・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所
代表取締役社長

連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきました。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)など多く出版。平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録しました。
著書の紹介はこちらから。

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